千原英喜(1957–)/夢

作詞:みなづきみのり(1967–)

出版 2015年1月

千原英喜作曲、みなづきみのり作詞「夢」は、タイトル通り夢について歌った合唱曲であり、「人々が掲げる理想や目標」の事ではなく、「夜眠るとき誰もが見たことのある夢」について表している。この曲は、合唱組曲「うみ・そら、神話」の終曲として作曲された無伴奏合唱曲「エピローグ:夢」に、新たにピアノパートを付け加えたものである。
曲全体は、ト長調で6/8拍子のゆったりとしたリズムで進行する。ピアノ伴奏には、鳥のさえずりや波に揺れる船の様子などを表現したフレーズが歌詞に合わせて登場する。
曲の終盤には「世界は夢でつながっている」という歌詞がある。地球では、昼になっている地域もあれば、同時に必ず夜になっている地域もある。言い換えれば、地球上では誰かが夢から目覚めれば、誰かが必ず眠りにつき夢を見始めるということである。「世界は夢でつながっている」という歌詞が、この夢よって起こる世界中の人々を繋ぐリレーを表している。
今回の演奏では、女声合唱ならではの柔らかなハーモニーで、「夢」の世界を表現する。

千原英喜

作曲家。東京藝術大学音楽部作曲科卒業、東京藝術大学大学院修士課程修了。
『万葉恋歌』などの日本の古典文学、伝統芸能、民謡などを素材とする音楽や、『おらしょ』といった日本の民俗と西洋との関わりをテーマにした音楽、また日本独自歌謡性を取り入れた音楽など多彩な作風の合唱曲を手掛ける。

みなづきみのり

2006年頃より作詩・作詞活動を開始する。千原英喜、高嶋みどり、松下耕、信長貴富、松本望、相澤直人、北川昇、合唱作品多数。2014年には松本望作曲「ゆうやけ」が合唱連盟コンクール課題曲となる。京都在住。豆腐と日本酒と出町ふたばの豆大福を愛する。タルコフスキーと小津を愛する。コクトーとクレーを愛する。葡萄のデザインと魚のデザインを愛する。趣味は合唱指揮。


参考文献

文責:ソプラノ4年 皆川沙央莉